いつかまた見に行こう、扉の向こう側の物語を(第12話ネタバレ解説&感想)

”ネタバレ解説”と銘打って始めたこのシリーズですが、そもそも解説してない回もちらほらあってどうしようと悩んだ結果、最終回にして”ネタバレ解説&感想”に名前を変えることにしました。草。

「思いつきはしても本当にやるとは思わなかった」な内容だったミリアニ最終回。全速力で駆け抜けましたね。
もちろん語り足りないところはいくらでもあるものの、ミリオンライブにはホーム・ミリシタがある。まずは”第1期”を盛り上げましょう!そして繋げましょう、765プロライブ劇場のさらなる発展と、次の物語に!

最初にTeam5thの話をさせてください。
第8話では4thの裏に回る形でステージのシーンが1カットだけ入ったTeam5th。「彼女たちの新曲には今後の展開に関わるような重大な秘密が隠されているんだろう・・・」と考えることにして、それ以上何も深く考えなかった自分。

迎えたこけら落とし公演で、口々に「バトンを繋ぐ」と言って決死の表情でステージに上がってゆくアイドルたち。次のパフォーマンスメンバーは・・・Team5th! 紗代子が未来に眼鏡を預けるところから涙をこらえられなくなってたのに、テロップに現れた曲名「バトンタッチ」を目にした瞬間ボロ泣きでした。

担当たちのユニットが大舞台の中軸・・・そら取っておくわな・・・こんなん・・・こんなんタイトルの時点でこのライブのための切り札みたいなもんじゃん・・・。

僅かでもいいから歌って踊るシーンを描いてくれと切望していたステージ風景、茜・紗代子・育たちにいつか来て欲しいと願っていた優しく爽やかな応援歌、さらに紗代子が歌い出して育・美也・星梨花と繋がれたボーカルが最後の茜のところでセンターごと入れ替わるっていう振り付け、ここ完全にただの自分語りなんですけどミリシタで”Dreaming!”やるとき必ず設定する個人的に大好きな鉄板演出なんですよ!(知らねえよ)

これまで叶うとも思わず勝手に描いた夢まで、まるで奇跡のように1つ1つ拾われてゆく。
もうね、成仏しそう。←他にもっと適当な表現は無かったのか?

現世の皆さまには大変申し訳ないことに辛うじて成仏は免れたんですが、後のエンドロールでこの曲の作詞作曲の方のお名前を確認し、もう一度深く感謝いたしました。作詞は”fruity love”や”KING of SPADE”などの作詞作曲を担当された宮崎まゆさん、作曲は”Cherry Coloerd Love”などの作詞作曲を担当された櫻澤ヒカルさん。俺に対する忖度が過ぎる。いや、真面目に心から、ありがとうございます。最高・・・とだけ表現したのでは申し訳ないくらい最高でした。

続いては、来た、来てしまった”Sentimental Venus”。
あのトラブルを盛り込んだことに賛否あるみたいですけど、Pが、アイドルが、鬼気迫る顔で「繋ぐ、繋ぐ」と言っていたあのライブを、客席もまた、止めさせなかった、繋がせた・・・と描くために絶好の素材があるならば、個人的にはやって良かったんじゃないかなと思います。あの独特の節の手拍子、何なのかと思ったら第1話のASライブの幕が上がるときと同じなんですね。始まるのが待ちきれないというサイン、こういうところまで伝統が受け継がれてるんだなと。

どうにか機材が復旧し、続くソロステージに挑むのはここ数話ずっと緊張で顔が引きつっていた紬。
しかも紬の歌唱力って作中で明確に触れられる場面が無くて、ミリアニで始めて紬を知った人だと「この子歌うまいの?どうなの?」っていうのが最終回のここまでずっと不明のままです。

からの”瑠璃色金魚と花菖蒲”だもの、ぶっ飛びますよね。
まあ6年以上Pやってる自分でも普通にぶっ飛んだんですけどね。

渾身のパフォーマンスであっという間に流れを引き戻した紬から歌織へ繋がれていくバトン。歌織は逆に「この人歌うまいよ!」ってそこかしこで言われていたうえでの登場。全方面から掛かる大変なプレッシャーのなかこちらも見事なステージを披露してくれました。はぁ、これこそ最初の一歩って感じの歌だよねえ・・・。

”ハミングバード”はステージ演出がおとなしいぶんスポットライトが演者に当たって出来る影の様子がよく見えるんですけど、この影の落ち方の表現が「これ3Dエンジンの技術プロモーションでも兼ねてんのか?」ってくらい半端ないです。ホールの空気感の再現が素晴らしい話は前にもしましたけど、最終回にして集大成と言っていい完成度。ミリアニが3Dモデルアニメじゃなかったら絶対出来なかったですねこれ。落ち着いてみる機会が出来たら是非じっくり観察してみてください。

と、ここで上記3曲が続いたセトリについてもう一語り。
”Sentimental Venus”・”瑠璃色金魚と花菖蒲”・”ハミングバード”、これら3曲にはミリシタに関する共通点があります。そう、アプリリリース時にたった15曲しか無かったプレイアブル楽曲のうちの3曲なんです。

当時はまだAS専属のアイマスMV大好きPだった自分をミリオンの世界に飛び込ませたきっかけとなった驚愕のMVたち、目の前のステージに魂を揺さぶられる驚きと感動はあの時に抱いた感情そのもの。

ミリシタが・・・ミリシタが始まってゆく・・・。

ようやくお披露目となったTeam3rdのユニット曲・”オレンジノキオク”。そして最後に現れるのはTeam8th、その曲名は・・・”REFRAIN REL@TION”!

@だ!!@がついてる!!
@を見た瞬間に泣けたこと、その意味を理解出来たこと、あそこで「@がついてる!!」と心の中で叫んだ誰しもが自分がミリオンのPであるという喜びを噛みしめていたことでしょう。

一応”解説”って謳ってるのにミリアニ勢を置き去りにして勝手に盛り上がってしまって本当にすまない。ただアイドルマスターにとって@が付く曲というのはそのくらい大事なものなんです。

・・・えっ?「でもなんかさっきも見た気がする」? 忘れろビーム!!

”代表曲としては”ミリオンライブ初の@曲。これが全体曲かどうかはまだ判断付きかねるところなんですが、客席に並んだアイドルたち全員もこの曲を一緒に歌っている、今はそれでいいじゃないかと。

”REFRAIN REL@TION”で客席が明るくなるタイミングは未来が「届けさせてください」と語った瞬間でした。OP曲”Rat A Tat!!!”でも全力で歌われた「届け」、周年曲でもことあるごとに歌われる「届け」、それこそが制作陣、そしてミリオンのPたちに共通する思いです。

今ステージに立つトップアイドルを目指す彼女たちの輝き、それを一人でも多くの人に届けたい!届け!!

本当に丸々ライブだった最終回。全く、全くもって、最高の最終回だった。
エンディングを飾る曲はもちろん”Brand New Theater!”!!

余韻に浸る間もなく新たなる活動を次々に開始させてゆく765プロのアイドルたち。夢の扉を全力で叩き続けたアイドルの卵たちは、荘重なその扉を遂に押し開きました。その先に広がるのは仲間が、プロデューサーが、ファンたちが待つ、彼女たちの家、765プロライブ劇場。

おかえり、シアターデイズへ。

さて、「振り返ってみるとセンターの赤が曇らなかった初のアイマスアニメ」なんて言われたミリアニ。でも未来ちゃん、ちゃんと(?)曇ってましたよね、第1話の前半で。

同級生たちはみな一生懸命打ち込めるものを見つけられているのに、自分だけが夢を見つけられない。あれだけ仲がいい家族ですら「未来は何でも楽しんじゃうから」と言って当たり前のように受け入れてしまっている”夢を見つけられない自分”。

そんな少女が突然出会ったあまりにも遠く大きな夢・トップアイドル。
全力に全力を重ね、更に全力を出しても手が届かないその夢に向かって、「アイドルになりたい気持ちなら誰にも負けない」その言葉どおり、本当にその言葉どおりの存在な未来が、あらゆるものに全力でぶつかってゆき、やがて彼女の回りのあらゆるものを巻き込んで、変えてゆく。

どこに行っても”助っ人”だった未来が、夢を見つけた瞬間からひたすら全力で走り続け、やがて39人ものアイドルたちの中の”不動のセンター”になってゆく。そういうお話でしたよね、ミリアニって。

火が付いて以降一切火力が衰えない主人公ってかなり珍しいキャラだと思うんですけど、これが正に我々がずっと抱いていた未来ちゃん像そのもの。たった12話しかない短期決戦だからこそ成立した主人公像だったと思います。主軸がシンプルで迷いが無いからこそ描けたそれを取り囲む群像劇と熱狂のライブシーン、幾つも幾つも幾つもの名シーンが思い浮かびます。

おわりに。
ここまで来るのは長かった、実に長かった。しかし待った甲斐はあった。ミリオンを追ってきたPなら誰しもが抱く感想でしょう。

展開10年に及ぶミリオンライブに対する溢れる愛と記憶、それを歴史に変え物語に織り込んでゆく。あるいは可奈たちが使ったオンライン会議や茜のネット配信といった、外部のもっと大きな、コンテンツの息の根を止めようとまでした忌まわしい記憶までも、歴史の副産物に変え物語に織り込んでゆく。ここに至るまでにかかったあらゆる時が、この物語が生まれるために必要なものだった。

類い希なコンテンツの来歴を類い希なスタッフが再構成し紡ぎ上げた奇跡の物語、それがアニメ・アイドルマスターミリオンライブ、我々ミリオンライブを愛する全ての者にとっての賛歌だと、自分はそう受け止めました。

これでアニメの物語は一段落。
しかしPたちには、そしてアイドルたちには、いつもの帰るべき家が今日も待っている。こんな幸せなことってないですよね。

さあ、俺たちの担当アイドルたちは輝きの向こう側の舞台を見事に演じきったぞ。
ミリアニ本公演はまだこれから、次は俺たちが盛り上げる番だ。次は扉の向こう側の物語を、再び彼女たちに用意するために!

→ テレビ放送後の感想延長戦・第12話

カテゴリー: ミリアニ, 管理人の勝手コラム パーマリンク

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