ミリアニ無限リピートしてると語りたいことが無限に沸いてくるのはほんとすげえなあってことで、どうしても語りたいことは解説&感想シリーズで語ったうえで、あのときカットした話や配信で見直して追加で気づいたことなどを語るおまけの記事。
本当は旧twitterの#細かすぎて伝わらないミリアニここ好き選手権タグに乗っかろうと思ってたんですが、いちいち文字数数えながら書くのが面倒くさくなったのでやっぱりこっちに書きます。
「良かったー、一生着かないかと思ったー。最初下行っちゃってー、その後あっちとあっち行っちゃって-・・・」
バイタリティだけは最初から全開に溢れている未来のキャラクターを初見に一発で説明してしまうシーン。さらに席を間違えていた静香のことを責めるどころかグイグイ間を詰めてくる鉄のメンタルも標準装備。この世界ではこれが普通・・・な訳はないことは未来が動く度にいちいちビクビクする静香の反応のとおり。
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(こいつとはあんま関わりたくねえな)感ありありだった静香。しかしこれから始まるライブの話題を振られると思わずそれに乗って語り出してしまう。こちらはライブとアイドルに込めた思いの強さが溢れています。
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一時停止で見て「あれ?」となった765プロ新人アイドルオーディションの案内チラシ。
”○○地方にお住まいの方のみとなります。”って書いてあります。まあ普通に考えたら”応募対象は関東地方にお住まいの方のみとなります。”かなと。寮があるのが当たり前みたいな顔して上京してきた子もいたけど、初めからそんなこと微塵も考えてなかったのねえ・・・。
オーディション組、スカウト組の区分が基本的にミリシタ準拠だとすると、唯一奈緒がレギュレーションに引っかかるようなことを明言しています。
しかし奈緒はミリアニ世界ではムビマスからの流れで候補生から765プロ入りとなっているため例外的に設定が上書きされて制限対象から外れているという、ここも良く出来てんなあ!な細かすぎて伝わらないポイント。
一応そんな条件があるなか、敢えてスカウトで引っ張って来られた北海道(壮瞥町!)出身のひなたや博多出身のジュリア、金沢出身の紬というのは強キャラ感半端なくて面白いっすね。
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何が細かすぎるって舞台両脇に漏れてる光とか、通路の誘導灯まできっちり光ってるんですよね。これだけ作り込んであったらそりゃ劇場公開にしたくもなるわなあ・・・と。
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コミュ力の鬼未来ちゃん。相手がつい話したくなる方向に話題を向けていって気持ちをしゃべらせる聞き方も天才的にうまいっていうのが随所で描かれてるんですけど、このシーンでこういう聞き方をしたのは前に自分が父親から「どれが一番好きなんだ?」と聞かれて答えられなかった記憶があるからでもあります。
だからこそアイドルになる夢を見つけられたことが嬉しくて、同じ夢を持っている静香にこういう聞き方をしてしまう。一番の夢を見つけられたことが未来にとってどれだけ大きな喜びだったかを言葉の選び方からも窺い知ることができます。
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この直前の静香の台詞が「未来、ありがとう」で、視聴者が「お?さっきと呼び方変わった?」と思ったところにこのシーンが来ます。静香が未来を呼び捨てにするようになったというのをはっきり認識できるのはこの繰り返しがあるのと共に、ライブ直後の未来が柱に頭をぶつけるシーンで静香が「ちょっと・・・未来”ちゃん”!」とほぼ同じ台詞を繰り返しているからです。
ついでにこのシーンではさっき静香を引っ張った未来が、今度は静香に引っ張られるというお互いの補完関係も視聴者に意識させます。溢れ出る行動力がありながら夢を見つけられなかった未来と、譲ることの出来ない夢を持ちながら最初の一歩が踏み出せなかった静香。呼び方の変化と同時にこの対比まで軽いギャグに織り込んでそれとなく気づかせてくるっていうのがもう天才的なのよね。
細かすぎて伝わらないミリアニ感想第2話延長戦
細かすぎて伝わらないミリアニ感想第2話分です。
西武デパートのSEIBUはSOIVEに変更されているのに西武池袋線はそのままという謎。

JR東日本はロゴまでそのままに描かれてますけど、このへんの基準ってどうなってるんですかね?
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765プロのオーディションが「特に狭き門」という視聴者にとっても驚きの事実が語られるのと同時に目の前に立ちはだかるフェンス。

心理的な圧迫効果を狙ったのは明白なんですけど、そんな事実を聞かされてもものともせず気合いを入れ直してしまう未来の鋼鉄メンタルぶりをあらためて強調するシーンにもなっています。
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もはや実家のような安心感の765プロ事務所。って、あれ!?ムビマスの頃に比べてたるき亭がお高い雰囲気の店になってる!?

さりげなく信号がLED化されているのにも時代の流れを感じますね・・・。
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「明日は晴れ!きっとうまくいくよ!」

この夕日を見ながらオーディションに思いを馳せるシーンって、ムビマスのサブタイトルが”輝きの向こう側へ”になった由来である夕日を見ながらライブに思いを馳せるシーンのオマージュだと思ってるんですけど、ここで春香が「光の先・・・素敵なところだといいなあ」って言うのに対して、未来は「明日は晴れ!きっとうまくいくよ!」って言う、それぞれの作品の主人公像やテイストが象徴されてる感じがたまらなく好きです。
ムビマスでそこから連続していくシーンのラストが千早の「未来・・・ええ、そうね」という台詞で締めくくられているのはさすがに偶然なんでしょうけど、10年越しでこんなところまで別の意味を持つようになってしまうのかと思わずまた涙しました。
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未来と3回ぶつかる源P。

最初の幕張メッセでは思い切りぶつかる。2回目の池袋駅ではぶつかるものの未来の手を掴む。3回目の中野サンプラザでは肩をキャッチして衝突回避。徐々にぶつかられ慣れていっている・・・?
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ちっちゃい子呼ばわりされて怒るこのみさん。

隣り合わせで立ってもそこそこ身長差のある2人(このみ143cm、未来156cm)なんですけど、段差を使うことでこのみさんの小ささが更に強調されています。
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「最終組の子、欠席した人がいて・・・」

グループEが最終組ってことは今回のオーディションって計14人しか受けてないんですかね・・・? まあ今回のオーディション全体をグループEって言ってる可能性もありますが・・・。
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「まだ終わらないのかな・・・?」

ワンカットでめちゃくちゃ沢山のことを説明してしまうシリーズ。
「裏方仕事にうんざり」
「このシーンまでにそれなりの数のオーディションを既にやった」
「少なくとも桃子が見る限り見どころのありそうな子は居なかった」
これだけのニュアンスを一言に収めつつ、座っている席の位置で桃子が他の子たちと一線を引いていることまで伝えてしまう。さらにこのあと星梨花たちがわざわざ桃子の周りに座ることで周囲は桃子と溶け込もうとしていることも表されます。ついでにうんざりしている桃子はこの後のシーンやシナリオ展開の下地になります。
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素人のど自慢レベルのパフォーマンスな未来・静香・翼。

声優陣の演技が逆に絶賛されていたこの歌唱。
これも本来の歌唱力についてはもう十分知れ渡っているという担保があるから思う存分外した演技ができるんであって、ド新人起用して初めてのガチ歌唱シーンで同じものは出せないと思うんですよ。新人に歌下手イメージ付いちゃったらその先の声優生命に影響出かねませんからね。
明らかに音が外れてる未来、緊張感ありありの静香。一方翼ってそんなに歌下手になってるか?って映画館で見たときには思ってしまったんですけど、最初の伸ばすところを適当に発声して適当に切ってしまっています。他にもイントネーションを勝手に跳ねさせてしまっているところがあったり、この時点の翼ならまあそういうことするだろうなというディレクションの痕跡が細部細部に見られます。
10年やってきたキャラの厚みを全開まで増幅して演出に生かす。まさにミリアニだからこそ出来たシーン。
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映像面でも容赦なく作り込まれたステージ演出。

まず立ち位置の入れ替わりを全部画面内で描いていて、誰がいつどこに立っているっていうのが分からないカットが無いんですよ。
それでカメラワークも最初は上下左右にぐいんぐいん動くんですけど、静香が調子を落としていくのに合わせてまず上下動が無くなり、左右の動きも遅く少なくなってどんどん単調になっていきます。
とうとう足が止まり、カメラも止まる。そこで未来と翼に背中を押される静香。

押された直後の数カットはまだほぼカメラが動きません。
静香が起死回生の叫びを上げたところでようやくカメラが、ステージが一気に動き出す。
音響と合わせ技で来るこのカタルシスからの解放感、本当に見事ですよね。
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で、例の幻影のシーンが来まして

これに一番驚いてるのが桃子っていうね。
ちょっとシーンが前後しちゃいますけど、この後でみんなが拍手してるなか唯一まだ茫然自失状態なのも桃子。

客席に座っているアイドルの中で桃子だけが望んでアイドルになってない子なんですよね。なので悪く言ってしまえば桃子はまだアイドルの力というものを信じていない。そんなところにあのステージを見せられて身体が固まってしまったんです。桃子が変わっていくきっかけの伏線はここでも張られてたんですね。
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いちぽむ全力のらたたが終わっても誰一人微動だにできないカット。

全くの無音。
・・・なんですけど、映画館やBlu-ray版などきっちりしたオーディオ環境で再生すると背景にうっすら空調の音が入っているのが分かります。誰も何も言わなくなっちゃうと普段気にならない空調などの音がやけに耳に付く気がしてきてしまうというあれ。他に第9話などでも「全くの無音」を強調するための空調音が使われています。
そして目にした光景に誰も何も言えなくなってしまうのは登場人物だけでなく、観客席の我々も同じ。自分が映画館で初めて見たとき場内が全く同じ空気になっていて、思い出すたびあの衝撃を他のPたちと共有できてよかった、劇場公開版あってよかったって気持ちになります。その雰囲気を壊すことなく最初に手をたたき出せるところがマジAS!なのよな。
さすがの翼もこのステージの後では息を切らしているというのも見逃せないところ。
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「おめでとう!」

未来と静香が合格を決めた瞬間、すかさず「おめでとう!」と言えちゃう翼。良い子!
ただ、良い子なんだけど、才能もあるんだけど、それだけじゃアイドルはやっていけません。初期値が高いことが逆に成長の機会を奪っている翼。そんな天才の壁を小さな出来事一つ一つが取り払っていくという、この物語も大好きです。