いつかまた見に行こう、扉の向こう側の物語を(第12話ネタバレ解説&感想)

”ネタバレ解説”と銘打って始めたこのシリーズですが、そもそも解説してない回もちらほらあってどうしようと悩んだ結果、最終回にして”ネタバレ解説&感想”に名前を変えることにしました。草。

「思いつきはしても本当にやるとは思わなかった」な内容だったミリアニ最終回。全速力で駆け抜けましたね。
もちろん語り足りないところはいくらでもあるものの、ミリオンライブにはホーム・ミリシタがある。まずは”第1期”を盛り上げましょう!そして繋げましょう、765プロライブ劇場のさらなる発展と、次の物語に!

最初にTeam5thの話をさせてください。
第8話では4thの裏に回る形でステージのシーンが1カットだけ入ったTeam5th。「彼女たちの新曲には今後の展開に関わるような重大な秘密が隠されているんだろう・・・」と考えることにして、それ以上何も深く考えなかった自分。

迎えたこけら落とし公演で、口々に「バトンを繋ぐ」と言って決死の表情でステージに上がってゆくアイドルたち。次のパフォーマンスメンバーは・・・Team5th! 紗代子が未来に眼鏡を預けるところから涙をこらえられなくなってたのに、テロップに現れた曲名「バトンタッチ」を目にした瞬間ボロ泣きでした。

担当たちのユニットが大舞台の中軸・・・そら取っておくわな・・・こんなん・・・こんなんタイトルの時点でこのライブのための切り札みたいなもんじゃん・・・。

僅かでもいいから歌って踊るシーンを描いてくれと切望していたステージ風景、茜・紗代子・育たちにいつか来て欲しいと願っていた優しく爽やかな応援歌、さらに紗代子が歌い出して育・美也・星梨花と繋がれたボーカルが最後の茜のところでセンターごと入れ替わるっていう振り付け、ここ完全にただの自分語りなんですけどミリシタで”Dreaming!”やるとき必ず設定する個人的に大好きな鉄板演出なんですよ!(知らねえよ)

これまで叶うとも思わず勝手に描いた夢まで、まるで奇跡のように1つ1つ拾われてゆく。
もうね、成仏しそう。←他にもっと適当な表現は無かったのか?

現世の皆さまには大変申し訳ないことに辛うじて成仏は免れたんですが、後のエンドロールでこの曲の作詞作曲の方のお名前を確認し、もう一度深く感謝いたしました。作詞は”fruity love”や”KING of SPADE”などの作詞作曲を担当された宮崎まゆさん、作曲は”Cherry Coloerd Love”などの作詞作曲を担当された櫻澤ヒカルさん。俺に対する忖度が過ぎる。いや、真面目に心から、ありがとうございます。最高・・・とだけ表現したのでは申し訳ないくらい最高でした。

続いては、来た、来てしまった”Sentimental Venus”。
あのトラブルを盛り込んだことに賛否あるみたいですけど、Pが、アイドルが、鬼気迫る顔で「繋ぐ、繋ぐ」と言っていたあのライブを、客席もまた、止めさせなかった、繋がせた・・・と描くために絶好の素材があるならば、個人的にはやって良かったんじゃないかなと思います。あの独特の節の手拍子、何なのかと思ったら第1話のASライブの幕が上がるときと同じなんですね。始まるのが待ちきれないというサイン、こういうところまで伝統が受け継がれてるんだなと。

どうにか機材が復旧し、続くソロステージに挑むのはここ数話ずっと緊張で顔が引きつっていた紬。
しかも紬の歌唱力って作中で明確に触れられる場面が無くて、ミリアニで始めて紬を知った人だと「この子歌うまいの?どうなの?」っていうのが最終回のここまでずっと不明のままです。

からの”瑠璃色金魚と花菖蒲”だもの、ぶっ飛びますよね。
まあ6年以上Pやってる自分でも普通にぶっ飛んだんですけどね。

渾身のパフォーマンスであっという間に流れを引き戻した紬から歌織へ繋がれていくバトン。歌織は逆に「この人歌うまいよ!」ってそこかしこで言われていたうえでの登場。全方面から掛かる大変なプレッシャーのなかこちらも見事なステージを披露してくれました。はぁ、これこそ最初の一歩って感じの歌だよねえ・・・。

”ハミングバード”はステージ演出がおとなしいぶんスポットライトが演者に当たって出来る影の様子がよく見えるんですけど、この影の落ち方の表現が「これ3Dエンジンの技術プロモーションでも兼ねてんのか?」ってくらい半端ないです。ホールの空気感の再現が素晴らしい話は前にもしましたけど、最終回にして集大成と言っていい完成度。ミリアニが3Dモデルアニメじゃなかったら絶対出来なかったですねこれ。落ち着いてみる機会が出来たら是非じっくり観察してみてください。

と、ここで上記3曲が続いたセトリについてもう一語り。
”Sentimental Venus”・”瑠璃色金魚と花菖蒲”・”ハミングバード”、これら3曲にはミリシタに関する共通点があります。そう、アプリリリース時にたった15曲しか無かったプレイアブル楽曲のうちの3曲なんです。

当時はまだAS専属のアイマスMV大好きPだった自分をミリオンの世界に飛び込ませたきっかけとなった驚愕のMVたち、目の前のステージに魂を揺さぶられる驚きと感動はあの時に抱いた感情そのもの。

ミリシタが・・・ミリシタが始まってゆく・・・。

ようやくお披露目となったTeam3rdのユニット曲・”オレンジノキオク”。そして最後に現れるのはTeam8th、その曲名は・・・”REFRAIN REL@TION”!

@だ!!@がついてる!!
@を見た瞬間に泣けたこと、その意味を理解出来たこと、あそこで「@がついてる!!」と心の中で叫んだ誰しもが自分がミリオンのPであるという喜びを噛みしめていたことでしょう。

一応”解説”って謳ってるのにミリアニ勢を置き去りにして勝手に盛り上がってしまって本当にすまない。ただアイドルマスターにとって@が付く曲というのはそのくらい大事なものなんです。

・・・えっ?「でもなんかさっきも見た気がする」? 忘れろビーム!!

”代表曲としては”ミリオンライブ初の@曲。これが全体曲かどうかはまだ判断付きかねるところなんですが、客席に並んだアイドルたち全員もこの曲を一緒に歌っている、今はそれでいいじゃないかと。

”REFRAIN REL@TION”で客席が明るくなるタイミングは未来が「届けさせてください」と語った瞬間でした。OP曲”Rat A Tat!!!”でも全力で歌われた「届け」、周年曲でもことあるごとに歌われる「届け」、それこそが制作陣、そしてミリオンのPたちに共通する思いです。

今ステージに立つトップアイドルを目指す彼女たちの輝き、それを一人でも多くの人に届けたい!届け!!

本当に丸々ライブだった最終回。全く、全くもって、最高の最終回だった。
エンディングを飾る曲はもちろん”Brand New Theater!”!!

余韻に浸る間もなく新たなる活動を次々に開始させてゆく765プロのアイドルたち。夢の扉を全力で叩き続けたアイドルの卵たちは、荘重なその扉を遂に押し開きました。その先に広がるのは仲間が、プロデューサーが、ファンたちが待つ、彼女たちの家、765プロライブ劇場。

おかえり、シアターデイズへ。

さて、「振り返ってみるとセンターの赤が曇らなかった初のアイマスアニメ」なんて言われたミリアニ。でも未来ちゃん、ちゃんと(?)曇ってましたよね、第1話の前半で。

同級生たちはみな一生懸命打ち込めるものを見つけられているのに、自分だけが夢を見つけられない。あれだけ仲がいい家族ですら「未来は何でも楽しんじゃうから」と言って当たり前のように受け入れてしまっている”夢を見つけられない自分”。

そんな少女が突然出会ったあまりにも遠く大きな夢・トップアイドル。
全力に全力を重ね、更に全力を出しても手が届かないその夢に向かって、「アイドルになりたい気持ちなら誰にも負けない」その言葉どおり、本当にその言葉どおりの存在な未来が、あらゆるものに全力でぶつかってゆき、やがて彼女の回りのあらゆるものを巻き込んで、変えてゆく。

どこに行っても”助っ人”だった未来が、夢を見つけた瞬間からひたすら全力で走り続け、やがて39人ものアイドルたちの中の”不動のセンター”になってゆく。そういうお話でしたよね、ミリアニって。

火が付いて以降一切火力が衰えない主人公ってかなり珍しいキャラだと思うんですけど、これが正に我々がずっと抱いていた未来ちゃん像そのもの。たった12話しかない短期決戦だからこそ成立した主人公像だったと思います。主軸がシンプルで迷いが無いからこそ描けたそれを取り囲む群像劇と熱狂のライブシーン、幾つも幾つも幾つもの名シーンが思い浮かびます。

おわりに。
ここまで来るのは長かった、実に長かった。しかし待った甲斐はあった。ミリオンを追ってきたPなら誰しもが抱く感想でしょう。

展開10年に及ぶミリオンライブに対する溢れる愛と記憶、それを歴史に変え物語に織り込んでゆく。あるいは可奈たちが使ったオンライン会議や茜のネット配信といった、外部のもっと大きな、コンテンツの息の根を止めようとまでした忌まわしい記憶までも、歴史の副産物に変え物語に織り込んでゆく。ここに至るまでにかかったあらゆる時が、この物語が生まれるために必要なものだった。

類い希なコンテンツの来歴を類い希なスタッフが再構成し紡ぎ上げた奇跡の物語、それがアニメ・アイドルマスターミリオンライブ、我々ミリオンライブを愛する全ての者にとっての賛歌だと、自分はそう受け止めました。

これでアニメの物語は一段落。
しかしPたちには、そしてアイドルたちには、いつもの帰るべき家が今日も待っている。こんな幸せなことってないですよね。

さあ、俺たちの担当アイドルたちは輝きの向こう側の舞台を見事に演じきったぞ。
ミリアニ本公演はまだこれから、次は俺たちが盛り上げる番だ。次は扉の向こう側の物語を、再び彼女たちに用意するために!

→ テレビ放送後の感想延長戦・第12話

カテゴリー: ミリアニ, 管理人の勝手コラム | コメントする

シアターデイズの幕が上がる(第11話ネタバレ解説&感想)

第11話は元ネタありエピソードが特に多くて記事書きながら「これ初見だとどう見えるんかな?」とちょっと心配になってしまったんですけど、もう一度落ち着いて考えてみるとライブ直前からライブ開始序盤までが一気に進んでいく様を描いてるんで情報過多で目を回すっていうのはむしろ正しい受け止め方なんですよね。

見終わって少し経ってからネットで調べたとき「ええ!?あれ全部元ネタあんの!!?」って驚く、ああいう体験自分も大好き!というのがこの記事を書いている動機でもあります。正にそれが製作スタッフの意図するところであり、我々既存Pが心配することなど何も無いでしょう。

みんな言ってたし、俺も思ってましたよ。「いっそ12話は丸々全部ライブにしてくれ」ってね。

すいませんでした。
11話後半から全部ライブになるとか、全く想像すらしてませんでした。

2週ぶっ続けでライブシーンとか、もうそれだけで伝説になるレベルなのにクオリティが、迫力が、内容が、あらゆるものが全てヤバい。正にこのための3Dアニメ!やってくれたなアニメスタッフ!本当に本当にありがとう!!

長きにわたった準備期間が終わり、765プロライブ劇場こけら落とし公演の日が決定します。

・・・こ、この日付は・・・!
テレビ放送の最終回あわせですね。たぶんあんまり深い意味はないはず。

公演名は”R@ISE THE DREAM!!!”

ヒャア!10thツアーAct-3の公演名じゃん!
それに第2幕エンディングになったあの曲・・・とボカすまでもなく”Dreaming!”、やるんだろう!? 出し惜しみは無しだというスタッフの気迫が日常会話からもビンビンに伝わってきます。

ここでアイマスアニメ伝統の合宿イベントが発生。
練習風景は基本的にチーム毎となっており、こけら落とし公演を直前に控えたこのタイミングでもう一度メンバー構成を視聴者に紹介していきます。

といいつつ日常シーンではここぞとばかりに盛り込まれまくる小ネタ。
カレーの周りに集合するこのみ・琴葉・杏奈・可奈・莉緒を見て「ブフォ!」ってなったらキミも立派なミリオン星人だ!(謎)

併せて琴葉にはこけら落とし公演の挨拶が任されます。
作中では特に説明も無くいつの間にか決まっていて、最初見たとき「ん?ああそうなん?」と理由をちょっと考え込んでしまいました。

琴葉じゃ不適格だからとかそんな話ではもちろんありません。ただミリアニのスタッフがミリアニのスタッフである以上、「挨拶係なら委員長キャラの琴葉で」なんてつまらない理由で選ぶわけがないはずで、何でなんだろうなと。

なにか当時のエピソードで琴葉に関するやつがあるはずなんだよなあ・・・

あ、違う!”無い”んだ!!
そうです。CV担当の種田梨沙さんが病気休業されていた都合でリリース当時のミリシタに琴葉は登場していなかったんです。

あのとき765プロライブ劇場のオープニングに唯一人参加できなかった琴葉。その彼女に送られた劇場こけら落とし公演の挨拶係という”当時のエピソード”。この役回りはスタッフから琴葉へのプレゼントだったんですね! ここまでミリオンライブの歴史をなぞるかのように構成されてきたミリアニですが、敢えて意図的な歴史改編を澄ました顔して挿し込んできました。

メタな事情だからこそ、これに作中で適当な理由を付けてはならない。ただ”琴葉が頼まれてその役割を果たした”という記憶のみが、作中キャラの誰も知ることの無い空白にピタリと嵌め込まる、それだけでいいんです。だからいつの間にか琴葉がこの係に選ばれたことになってるんですね。

なんという粋!
琴葉が挨拶してるだけで涙が止まらない俺。だって・・・だってさぁ・・・琴葉が劇場のオープニングセレモニーで挨拶してるんだぜ・・・?(泣)

公演を前にして控え室で組まれる39人の特大の円陣。
これも未来たちが先輩から受け継いだ伝統のひとつ。ただし掛け声に合わせて手を挙げるスタイルのASに対して劇場組は手を繋ぐスタイルになっています。原っぱライブを思い出した可憐が「いつかまた全員で手をつなげたら」と言っていたのを実現させたんですね。掛け声を掛けるのは誰しもが認めるミリオンライブのセンター・未来。

765プロ劇場公演の日々、シアターデイズの幕が上がります。

オープニングアクトはやっぱそうなりますよね!の”Dreaming!”。
上述のとおり公演名・”R@ISE THE DREAM!!!”にかけたセットリストでもありますが、もう一つ忘れてはならないのはゲッサン版ミリオンライブのラストシーンを飾ったのがミリオンライブ1周年記念曲・”Welcome!!”であり、この”Dreaming!”はその後に続く2周年記念曲であるということ。

”M@STERPIECE”の後に連なる”TOP!!!!!!!!!!!!!”から始まったミリアニ。さらにこのライブの先に続く”シアターデイズ”はゲッサンのその先の物語でもあります。”Welcome!!”で締めくくられたゲッサン版ミリオンライブの後に連なるミリオンライブシアターデイズが”Dreaming!”によって幕を開ける。ミリアニの未来はここでゲッサン版ミリオンライブをも内包することとなりました。

続くソロ一発目は翼の”ロケットスター☆”。

圧倒的な完成度で会場のボルテージを一気にブチ上げます。これが「アイドルとして大切なものを持っていない」と指摘された翼が出した答えの姿。

”ロケットスター☆”といえばPたちの間で必ず話題に上がるのが5thライブDAY2で中の人・Machicoのパフォーマンス。自分は伝聞でしか聞いたことがなくて後から過去ライブ一挙放送で見たときマジで驚いたんですけど、歌と振りがまず完璧で、そこに本人がステージを楽しんでいる姿が加わって、それが観客席全体を巻き込んでくるからめちゃくちゃ楽しいんですよねMachicoのステージって。

美希にダメ出しされた翼のパフォーマンスは歌と振りの完成度こそ高かったものの、そのライブステージには”Machicoがぶっ込んでくるもの”が無かった。未来が、静香が、ステージに立つ春香たちを見たときに抱いた「ああなりたい」という強い憧れとそれに自分が至るためにし続ける創意工夫、堅苦しく言えばそういう部分のことです。

自分は普段どっちかというと「アイドルと中の人は分けて考えようや」と考えちゃう方なんですよ? ただ翼とMachicoを重ね合わせた時に見える翼からはみ出した部分を指して「な!」って言われるとそれは同意せざるを得ない。ミリアニのあのステージで描かれた”ロケットスター☆”は翼のというよりMachicoの”ロケットスター☆”なんです。本当にズルい答えだけどな。

だから翼のパフォーマンスはMachicoが過去にステージで演じている既存曲でした。ついでに未来や静香が見せたような幻影を翼があそこで出すこともありませんでした。何故ってそりゃあの翼の姿自体がMachicoが我々に見せてる幻影みたいなもんだからです。

なんでここまで自信満々に言い切れるかって?
ミリアニ翼が”ロケットスター☆”歌ってるとき、”進めロケットスター”のとこで思いっきり左足蹴り上げてたでしょ?

あれ、ライブでMachicoが毎回やるけどミリシタ翼のモーションには無いんですよ。怖いですね。

静香は第10話で壁を乗り越えるきっかけとなる大きなイベントを経験しましたが、翼にそういったイベントが発生したことは作中で描かれておらず、代わりにアイドル活動に挑む仲間たちの姿ひとつひとつに小さな気づきをもらう描写が積み重ねられています。元々筋もいい勘もいい、ただ意識の向け方にだけ問題があった翼が成長を遂げるきっかけとしては、そっちの方が説得力があると判断されたのではないでしょうか。ストーリーラインとしては明らかに傍流なんですけど、全話を通して描かれるこの翼のエピソード、めちゃくちゃ好きです。

今の実力に不相応な力を出し過ぎてしまったため後半は笑顔がひきつっている翼。だがそれでいい、それこそが今の翼の出来る最高のパフォーマンス、観る者の心を掴むアイドルの姿なんだ。

また、このステージでは劇場組アイドルのバックダンサーに劇場組アイドルが立つという珍しい光景が見られました。・・・あれ?えーと、昴、歩、のり子・・・

幸か不幸かグリマス未プレイのくせに元ネタに気づいてしまって、結果ライブシーンを見ながら「ブフッ!!」と吹き出す不審人物と化したわけですが、そうですよねこれ、グリマスのイントロダクションイベントが終わって、続く第2弾イベント・開演!ロケットスタートライブ!に出てきたことから”ロケット団”とPたちに呼ばれてたトリオですよね!でもその呼び方、非公式だったはずですよね!?

最高のスタートを切った765プロライブ劇場こけら落とし公演・”R@ISE THE DREAM!!!”。
進行してゆくライブの裏で皆が次々に口にする「バトンを繋ぐ」という言葉。これがこのライブの合い言葉になってゆく。

あまりに濃い内容に短かったのか長かったのかすらも分からなくなった第11話の最後に映ったのは火花を散らす音響機材。あっ・・・(察し)

→ テレビ放送後の感想延長戦・第11話

カテゴリー: ミリアニ, 管理人の勝手コラム | コメントする

ワンフレーズ・ワンアクションが最強の仕事をした話(第10話ネタバレ解説&感想)

ミリアニは脚本を褒めたら良いのか、演出を褒めたら良いのか、両方愛がすごすぎてどっちの仕事なのか分からない名シーンが多すぎるんですよねえ。まあ両方褒めておけば多分それで間違いないんですけど、いやー、脚本上での山場となる今回もここの冴えがヤバかった。

というわけで第10話にして物語の軸の一つ、静香と父の問題が一応の完結を見ます。

千早が率いるコンサートメンバーに急遽抜擢された静香。併せて志保と星梨花が選ばれます。4人とも父親について何らかのエピソードがある面々、第10話は親子をテーマにした物語が展開していきます。重くなりがちな内容の回に登場した星梨花父がまさかのコメディリリーフ。ミリアニに出てきて声がついただけでびっくりしたのに何なのあのおいしすぎるおっさん!嫉妬!

まず、また「ああ、ほんと良い言葉選びするな」って思った話。
Pが未来・翼と一緒に静香の家へ父親にコンサートを見に来て欲しいと説得しに向かったシーン、あそこでPたちを先に見つけた静香の父が最初に「何でしょう?」と言った、ここ!

だって普段静香と顔もあわせないくせに、数ヶ月前に一度原っぱライブ後に挨拶しただけのP(と未来・翼)の顔をちゃんと覚えてたんですよ。自分の家の前に立っている人間の素性が分かっていないと最初にかける言葉が「何でしょう?」にはならないじゃないですか。自分の子供にとって大切な存在の顔は、親としてひとまず記憶している、静香の父は静香の父なりに子を愛している・・・っていうのがこれだけで察せられるんですよね。これがワンフレーズの話。

ちょっと飛んでコンサートライブのシーン。
オーディションの舞台で未来と翼に背中を押されたことがきっかけで憧れのアイドルへの切符を掴み取った静香は、今度は父親が見に来ているかもしれないステージへ向かうため、もう一度2人に背中を押して欲しいと頼みます。そしてステージ上で見せたのは再びアイドルとしての幻影。

ええ!?もう既にS4U・”Catch my dream”っていうこれ出したって確実に100点満点間違いなしの答えがあるのに、ここでまさかのソロ新曲っすか!??

”Gift Sign”については・・・すいません完全な不意打ちであわあわすることしかできなくてほとんど覚えてないです・・・。あとで落ち着いて聴ける機会が来たらそっと書き直します。

静香が渾身の舞台を終えたあと、Pは静香の父へ彼女がアイドルとしていかに素晴らしい才能を持っているかもう一度説明します。かなり抽象的なことしか言っていないのに「知っています」と返す父。

静香が大切にしつづけていた記憶・「アイドルになりたい」。あの思い出の視線の先に居たのは他ならぬ父その人でした。今、目の前で静香が目指す”アイドル”というものを見せられた父にとって、それが娘とどう結びつくかなど他人から説明されるまでもありません。最も身近にいて、最も早くその才能に気づいたのがかつての彼だったのですから。

誰かを笑顔にすることこそがアイドルの本分。
その文脈の中で千早が静香に告げた「アイドルに大切なものはもう持っている」と言う言葉。”大切なもの”とは静香が幼い頃からずっと守り続けてきたアイドルに対する限りない憧れでした。

無限に高みを目指し続けられる静香ならば、例えどんな相手であってもその力で心動かすことが出来る。千早が今回のコンサートのメンバーにまず静香を選んだのは言葉ではなく体験でそれを知ってもらいたかったからでしょう。目論見は見事に当たり、静香は最良の結果を掴むことが出来ました。

コンサート終演後、父親が舞台の上に現れてもなお前に立つことを躊躇してしまう静香。そんな彼女の腕を志保が掴んで父親の前へと放り投げます。

はい、この演出、ヤバいです。
第9話で千早が父親の気持ちは分からないと言ったのと同様に、志保も父親という存在とどう付き合ったら良いのか知らない子なんですよね。だからああいう場面でどうしたらいいか彼女には分からない。ただただ何かしなくちゃという気持ちから出た結果が、ここではもう台詞すら無く、たったのワンアクションで表されてしまう。

志保の幼さや不器用さ、それに優しさや幼稚に父に反発する静香への反感などまで盛り込みつつ、しかもこれは先ほど静香が未来・翼に背中を押されて舞台へ上がったことと対になっていて、突き詰めて言えば静香が仲間に応援されている意味では同じことを繰り返しているっていう、見た瞬間「え?いまこれどんだけの内容詰め込んだ?」って若干考え込んだあと総毛立ちました。

さて、これにて静香のエピソードもひとまず一件落着。
諸々の大きな問題はおおかた片付いて・・・無えじゃん!あれ?美希に「アイドルに大切なものを持っていない」と指摘されてしまった翼の問題の方は!?

これの答えがまた見事の一言でしたよね、あー・・・終わっとこう。また話が長くなる。

→ テレビ放送後の感想延長戦・第10話

カテゴリー: ミリアニ, 管理人の勝手コラム | 4件のコメント

第3幕は最初からボロボロ泣きまくってヤバかった話(第9話ネタバレ解説&感想)

ライブシーンが来ると記憶が飛んじゃうんで各幕序盤はいいんですけど、このまま一気に全部書き上げられるかいまいち自信がない第3幕編スタートです。

アニメ中で描かれていた活動の裏で黙々と続いていたASのバックダンサーのお仕事が遂に未来たちTeam8thに回ってきます。

先輩たちより一足先に会場に赴いた彼女たちが見たのは開演を待つ大きな会場。
工具などの金属音が広大な空間に散発的に響き渡る様子がライブ前独特の雰囲気を醸し出しています。これは第1話のシーンも同様で、他にも無言のシーンで聞こえてくる空調の音がカットに合わせて音量変えてあったり、こういう緻密な空気感はさすが演出家出身の監督さんだなあと思うところ。全編通じて見事な舞台装置として機能してますよね。

ここで憧れの春香たちと同じ舞台に立てる。しかし喜びもつかの間、AS組との合同リハーサルを終えるとすっかり意気消沈してしまう8thのメンバーたち。全力を出しても全く追いつくことが出来ない実力の差を痛感し、それぞれ長い夜を迎えることになります。

ステージへと向かった未来はこれから自分が立つライブの舞台に思いを馳せていました。そこへ現れたのはASのセンター・春香。彼女は未来にステージ上からは全ての観客席が見渡せること、ライブはそこに関わった全ての人たちによって作り上げられるものであること、だからこそかけがえの無いものであることなどを語ります。

ここで是非注目してもらいたいのはステージに座って話をする2人を背景から写したカットで、話に熱が入るあまり先輩の春香の方が後輩の未来に向かって何度も身を乗り出すんですよね。一方聞く側の未来は相手の言いたいことを即座に察するのが元々やや苦手なぶん、背後からだとただ座っているようにしか見えなくて「ちゃんと聞いてんのかなこの子?」と観客の我々の方が心配になってきてしまう。

そうやって溜めに溜めたところで春香の言葉に心を動かされて進むべき道を見つけた未来が、今度は急にバッと立ち上がる、それどころか逆に春香に向かって手を差し伸べすらしてしまうという。これだからこそ未来がミリオンライブのセンターなんだというのをこれ以上無い形で描いていますし、ASのセンター・春香とミリオンのセンター・未来という2人のセンターのあり方の違いをさりげなく、しかし完璧な形で浮き彫りにしています。めっちゃすき。

ホテルのラウンジでしょんぼりしていたのは紬と歌織。それでもあくまで紅茶を飲むあたりに育ちの良さがにじみ出ているのがまずポイント。そこへ伊織・真・雪歩が通りかかります。ASが先輩として相談に乗る姿ってなんかもうミリシタでは見慣れちゃった気がしてましたけど、ミリアニの時系列で改めて見てみると765プロって先輩も後輩もいない不思議な事務所の状態が劇場組が来るまでずっと続いていたんですよね。

だからこそ常に仲間同士で問題を解決してゆき、今では無二の結束力を持つAS組。そんな彼女たちが劇場組を迎え入れるにあたってのバタバタは劇場版でも一端が描かれましたが、まあその後もここまで結構探り探りでやってきたんだろうなということに思いが至ります。バックダンサー修行は既に34人分続けてきただけに先輩方のケアも慣れてきた感がありましたね。ついでに1人だけカップの持ち方が違ういおりんから漂う別格に育ちが良いとこのお嬢様感、さすが。

次元の違う存在に見えていたASでも、褒められると照れ、子供のように喧嘩する。そんな姿に緊張をほぐされた2人も明日の奮闘を誓います。

静香は夜の浜辺で千早の持ち歌であるSnow Whiteを歌っていました。
静香がこの曲をこの後のASライブで歌う可能性は普通に考えたら無いでしょう。つまり動機はライブの準備に対する不安等ではなく、自分の至らなさを受け止めたうえで昼間見た千早の姿に少しでも早く近づきたいという純粋な憧れの気持ちです。月と海に照らされたその姿は、当の千早が目にしても思わずシャッターに納めてしまいたくなるほど絵になるものでした。

千早に父との確執の話をする静香。
ミリアニの静香はこの話をすることにためらいがないぶん周囲のサポートを受けやすいのはいいことなんですけど、その相手が毎度地雷原なのはなんなのか。しかしそれを聞いた千早の答えがお父様の気持ちは分からないけれどと前置きしたうえで静香はアイドルに大切なものをもう持っているとだけ伝えるのがね!ほんと”ミリオンライブの千早”なんですよね!!!このへんは是非ミリアニ組にミリシタのコミュも味わっていただきたい。

千早は「アイドルに大切なもの」についてここで具体的に言及しません。静香にはその言葉だけで十分でしたし、物語としてはこの「アイドルに大切なもの」をこの次の翼が考えることがテーマの一つになっていきます。

憧れの美希の部屋に夜間突撃する翼、しかし当の美希は不在でした。
館内を歩き回る翼は、独り大きなガラス窓の前で振りの確認をする美希を発見します。ここ、鏡じゃなくてガラス窓なんですよね。初めからそのつもりがあったのなら大きな鏡くらいあらかじめ手配できそうなところ、思いつきで部屋を抜け出して適当な場所を見つけた感が出ています。

”美希ちゃん”にも褒めてもらおうといつもの調子で近づく翼でしたが、本気を出していないことを美希に指摘されあしらわれてしまいます。実際リハで他の面々がぐったりしているところ一人ケロッとしていた翼。今回決められた水準のパフォーマンスをこなしきったのは彼女だけでしたが、全力を出し切ったうえで水準を超えるのがアイドルのパフォーマンスである以上、スタート時点で失格と見做した美希。例えそれがリハーサルのステージであったとしても、まず全力は出して当然というのは大前提過ぎてもはや口にすらしません。

何が間違いだったのか考えるところから始めなくてはならなくなった翼。静香とは逆に先輩から「アイドルに大切なもの」を持っていないと指摘されてしまいました。

結局翼はその晩眠れなくなってしまい、先ほど美希が練習に使っていたホールへと向かいます。そこで目にしたのは自主練に精を出す未来と静香の姿、間もなく紬と歌織も顔を見せます。バラバラに夜を過ごした皆の目指す先は一つでした。

すっかり日が昇るまで練習に明け暮れた5人。前日のリハーサルでは一人ケロっとしていた翼も、このシーンでは肩で息を、全力を出し切るようになっています。ようやくここで翼も未来たちと同じスタートラインについた、と。

迎えた本番のライブ。
未来たちが3・2・1のカウントダウンから舞台上に跳び上がる一瞬のシーン、あれがもう、ほんと最高! スローモーションで流れる視界に飛び込んで来る輝きに埋め尽くされた世界。百合子が、春香が、目を輝かせて語っていた光景を8thメンバーが始めてステージから目にしたのがあのときなんですよね。しかし新人たちが感慨に浸れるのは刹那の一瞬のみ。あとは怒涛のように進んでいくライブの臨場感が堪りません。

そして選曲の話。
毎度意外にして絶妙な選曲で我々の度肝を抜いてきたミリアニでしたが今回のパフォーマンスアクトはアイマスPなら知らぬ者は居ない代表曲”READY!!”。

置きに行った?
いやいやそんなことなかったでしょう。

”ALREADY!!
WE’RE ALL LADY!!”

ここでガッツリ未来たち劇場組が抜かれてたじゃないですか。

”ALREADY!! WE ARE ALL LADY!!“は”ALREADY!! WE’RE ALL READY!!“。長らく続いてきた劇場組のバックダンサー修業がこれで終わり、『私たちはもう全て準備が整った』。それを告げる”READY!!”なんです。

物語最大のクライマックス、765ライブ劇場開演はもう目前です。

→ テレビ放送後の感想延長戦・第9話

カテゴリー: ミリアニ, 管理人の勝手コラム | 2件のコメント

続・ミリアニとミリシタのスケジュールをざっくり合わせてみる

先日の話の続き。

※今日は全部ミリアニネタバレです。

ミリシタのANIMATION STAGEイベントは”毎月開催”という話をすっかり失念しており、コメントで指摘をいただきました。ありがとうございます。じゃあ10月は下旬がMC01で確定してるんで上旬がANIMATION STAGEイベントなのは決まりなんだなあ・・・。

前回作ったカレンダーを再度持ってきてまいりまして

さて改めて10月と11月のテーマ曲どうすんだろうねと首をひねっていたら、これまたコメントで実に素敵なアイディアをいただきまして、それが「11月のANIMATION STAGEで原っぱライブ当日にASのライブに参加していた5人(可奈・志保・千鶴・朋花・亜利沙)視点で原っぱライブの裏のASイベントを描く」という案。

AS既存曲でイベントやる理由も出来るし、今上位報酬期間が空いてしまっている亜美を持って来ることもできる。第5話の裏で上記5人がASのイベントに出ることは第4話で既に触れられていてTV放送前のネタバレにもならないし、何よりアニメ中でもリアルタイムでも裏で別イベントを開催することになるという熱い展開。

10月上旬を”セブンカウント”、11月上旬を原っぱライブ裏イベントで埋められれば、後はミリシタの方が追いつかない勢いで個別ユニットラッシュが来ます。・・・あれ?これ完璧な回答じゃね?と心奪われておりました。実現するかどうかはー・・・本当にこうなったら楽しいなあ!ということで。

せっかくなので既存曲を完璧な劇伴に持ってくる天才DJ・源Pにあやかって、仮に本当にここで既存曲のイベントやるなら何持ってくるかな?なんてことまで考えていました。

まだ駆け出しの劇場組アイドルたちが、今このとき遠くの別のステージで頑張っている仲間たちへ送るエールみたいな曲、うーん・・・。

”もっと輝きたい もっと 夢 描きたい
shy→shining girl 駆け上がるよ keep on smiling

小さな夢抱えてた 不安と一緒に
仲間と手を取って 歩いてきたんだ

「いつも 応援してる」その優しさが 私に勇気くれるよ

もっと輝きたい もっと 夢 叶えたい
shy→shining girl 可能性が 今現実になって
どんなときも みんながいてくれる
遠くまで 届けと願い 歌うよ our song”

というわけで個人的に選ぶなら”TOP!!!!!!!!!!!!!”同様に”M@STERPIECE”のAS曲となる”shy→shining”を挙げたいなと。

ステラステージのMVでは特にバックダンサーが入る余地が無かったり、膝立ちモーションってミリシタでも出来るん?と思ってしまったり、割と最近の曲だけに技術的に凝ったところも多い曲。

再現できるかやや疑問なんですけど、まあこういう展開になったら面白いよねってネタとして見ていただければなと。

しかし今時のソシャゲ熟練兵の方々からしたらテレビでやった内容を即ゲームに反映なんてそこまで珍しい流れじゃないんでしょうねえ。

自分の場合比較対象が10年以上前のアニマスしかないもんで「当時はここまでリアルタイム感のあるゲーム連動要素なんてなかったよなあ、さすが現代!」と時代の違いを愉快に味わっております。

カテゴリー: PSイベント, ミリアニ | 4件のコメント