最初のライブシーンが”あの曲”だった時点でミリアニ完成度の異次元の高さを確信した話(第1話ネタバレ解説&感想)

前回の記事執筆後もずっとミリアニのことを考えていたらあまりにも語りたいことが多くなってしまったため、急遽ミリアニ全話ネタバレ解説&感想シリーズをすることにしました。

ストーリーをなぞるのではなく主に脚本や演出の細かいところを自分なりに解釈して解説したつもりのものなので未視聴だと訳の分からない話になってしまうと思いますが、一度アニメを見たうえで読んでいただければそこそこ楽しんでもらえるんじゃないかなあと考えております。

ミリアニ第1話は未来ちゃんがASのライブを見て765プロのオーディションを受けることを決めるというアイドルものの王道展開だったわけですけど、ここでの選曲が『TOP!!!!!!!!!!!!!』だった瞬間、多くのPが「え!?」と思ったことでしょう。俺だってそう思った。あまりこういう象徴的なシーンで使われたこと無かったですもんね。

はじめにメタ的な視点から読み解くと、”劇場版アイドルマスター 輝きの向こう側へ”のテーマ曲だった『M@STERPIECE』はPS3版アイドルマスター第2作・ワンフォーオールのMVでいきなり前代未聞の13人ステージが始まってPたちの度肝を抜くという形で実装されており、同作をプレイしたPにとってはOFAを象徴する曲としても記憶されています。

一方の『TOP!!!!!!!!!!!!!』はPS4版アイドルマスターシリーズ第2作・ステラステージの代表曲。

「”輝きの向こう側へ”以降、つまり『M@STERPIECE』以降のASの代表曲」と考えたとき自然と名前が挙がるのが、PS4版アイドルマスターシリーズ第1作・プラチナスターズの代表曲『Happy!!』と、第2作の代表曲『TOP!!!!!!!!!!!!!』なんですよね。

「劇場版アニマスの続編・・・とははっきり言わないけど、まあなんていうか、そんな感じの、アレよ」というミリアニの立ち位置を示すのに、『M@STERPIECE』→『TOP!!!!!!!!!!!!!』という流れを暗示的に持ってきたというのが「こいつ、やりおる・・・」と最初に唸ったシーンでした。

そんな感じで既存P向けのちょっとしたサービスなのかと思ったら更に唸らされたのが歌詞に合わせたシナリオの展開です。もう5年以上前から数え切れないほど聴いているはずの歌詞にASの新たなパフォーマンス映像とそれを客席から眺める未来・静香の姿が重ねられると、その内容に「・・・マジで?」となるという。

”ToP!!!!!!!!!!!!!
始まる物語(ストーリー)
好きな夢描いたら
本当の自分探しに行こう
終わらない道(ストリート)
どんな日も乗り越えて
まっすぐ進もう
みんな信じて

I CAN DO IT NOW!”

探し求めていた夢は今目の前にあると未来ちゃんに気付かせるきっかけとなった曲、叶えたい夢のために踏み出すことを静香に決意させるきっかけとなった曲。そこで使われている曲の歌詞がこれなんですよ?

・・・これ既存曲・・・でしたよね? このシーンのための書き下ろしじゃないっすよね・・・?

そしてこの曲を最も象徴する歌詞の部分、春香が『ガンバレ!』を歌った瞬間

先ほど開演前の客席で「ガンバレ!」と叫んでいた未来ちゃんの意識がステージの上のアイドル・春香とシンクロし、自らがアイドルになってあのステージに立つこと、それが自分の夢なんだと気づくという・・・予告で使われてたあの「ガンバレ!」ってシーン、え?あれ単なるギャグじゃ無かったの!?伏線だったの!!?

スタッフの愛と知識と情熱の篭めようにもう変な笑いが出てました。
何か、何かとんでもないものが始まってしまった。皆さんも恐らくこのあたりからミリアニを見る姿勢が変わったと思います。

まあこのシーン、開始10分かそこらのとこなんですけど。

ライブ終演後も『TOP!!!!!!!!!!!!!』の余韻は覚めません。
今度は夜の公園で静香がこの曲を歌うシーンで、ラストの歌詞を飲み込んだところに未来ちゃんが「WE CAN DO IT NOW!」と割り込んできます。

そこの歌詞は「WE」じゃなくて「I」だと訂正する静香。『TOP!!!!!!!!!!!!!』は1番が「I CAN」で、2番が「WE CAN」なので静香の言ってることが正しいんですが、最初の1番から「私たちは出来る!」と言い切れてしまう未来ちゃんと、「私は出来る」とすら歌えない静香の心境、そして環境の違いがここで浮き彫りになります。

ライブに行くと言ったら双眼鏡持ってきなと言い自分たちの時は演者が米粒にしか見えなかったとケラケラ笑い合う未来の両親と、自分の夢について語ることすら許そうとしない静香の父親。溢れ出る行動力がありながら夢を見つけられなかった未来と、譲ることの出来ない夢を持ちながら最初の一歩が踏み出せなかった静香。あらゆるものが対照的な2人。

そんな2人の道が重なり合って「WE CAN DO IT NOW!」ともう一度未来が叫び

アイドルマスター ミリオンライブの幕が上がる。

第1話部分終了の時点であまりの完成度の高さに呆然としたまま泣いておりました。
想像していたものの遙か上なんてもんじゃない。自分には想像すら出来ないレベルのものが来てしまった。

多分これ、何も知らない人が見てもめちゃくちゃ面白いと思いますよ。『TOP!!!!!!!!!!!!!』に関する予備知識全部抜いても未来がアイドルになることを決意する流れや未来と静香が対照的な境遇であることは十分分かりやすく描かれてますし、そんな2人が手を取り合う展開の熱さは伝わってきます。ひたすら清々しく王道を行く展開、それなのにとにかく面白い。こういうのは初見でも面白いもんなんです。

気力と才能に溢れた大人たちが、自分たちの持てる全てを出して自分たちの好きなものを好きだと叫ぶ。それを目の当たりに出来たこと、そしてこの愛すべき大人たちと同じものを自分が好きでいられたという幸運に他ならぬミリオンライブで巡り会えたことに自分は今深く深く感謝しています。

ならば俺も、この大人たちには及ばずとも、再びミリオンライブが大好きだと叫ぼう。
全く予定なんか無かったけど今はもう語らずにはいられない。ミリアニ全話解説シリーズ、やらせていただきます。

→ テレビ放送後の感想延長戦・第1話

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