他人様がどういう経緯でその子の担当になったかって話を聞いていたら面白かったから俺も書いてみようかなと思いつつ、そのままぶん投げていたネタ。せっかくなのでうちのカワイイカワイイ担当の誕生日に合わせてどうにか書き上げました。
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アイドルマスター自体にはXbox時代から触れていた筆者。
ただAS専属だった期間が随分長く、茜ちゃんの存在を認知したのは2016年のエイプリルフール。たまたまニュースサイトで話題になっていた”茜ちゃんメーカー”によってでした。
既にグリマス開始から3年以上経っていたにも関わらず、劇場組のアイドルは顔も名前もほとんど分からない有様だった筆者がそのとき初めて見た765プロのアイドル。襟足は外ハネ前髪ぱっつんでツリ目で左利き、何より元気で愛嬌抜群。
仮に自分がキャラクター考えろって言われてもここまで属性盛らねえよってくらいの対俺特効アイドルでした。にも関わらず第一印象は率直に言って「うーん・・・?」。
ちょっと自分の中で都合良すぎちゃったんですよね。
あまりに思い通りの子過ぎてリアリティが感じられなかったというか、そのあたりどうしても比較対象になってしまうASの子たちが当時でも既に10年近い付き合いになっていて、単なる”キャラクター”でなくなっていたぶん、本当に言い方が悪くて申し訳ないんですけど、奥行きが感じられなかったんです。面倒くさい奴だって思われるでしょう。俺だってそう思う。
ひとまず”茜ちゃんメーカー”のプレイ動画だけでも見てみるかと検索してみると
「イヤッホォーーーーーゥ!」
「!?」
予想していたよりヤバかった、BGMの時点で既に。現れたのは事務所で一人夜なべして人形を作り続ける茜ちゃんの後ろ姿。
えっ、さっきタイトル画面でノリノリで配ってたあの人形、1つ1つ本人の手作りだったんだ・・・なんで誰も手伝ってあげないの? 早速のギャップ。胸をぎゅっと掴まれました。さっき長々語った「俺はちょろくないぜ」みたいなキャラクター論は何だったのか。
振り向きもせず人形作りに没頭する彼女の姿にしばし見入っていたのもしかし束の間。人形作成は瞬く間に工場での大量生産から、火山噴火、エイリアンの惑星へと大規模化。
「イヤッホォーーーーーゥ!」
「!!!?????」
最終的にブラックホールから吹き出すようになりました。
あっ、これは原理分かるぞ。ブラックホールの質量を取り出して利用する、物質展開機とか縮退炉ってやつだ。
言っている間に茜ちゃん人形の数は10の80乗個を超え、エンディングへと突入します。
本当に縮退炉を使っていることになっていた設定にも驚き、そして全質量の7割が茜ちゃん人形に占められた宇宙が時空連続体ごと倒壊するという、今まで読んだどんなSFよりも壮大なオチに深く深く感心しながら爆笑したのでした。こんなに全力でふざけたアイマスがあったのか。
これは・・・告白シーンなんだよな?
世界が消滅する一瞬にだけ許されるアイドルとPという関係を超えた告白、そして別れの言葉。人類が知りうるなかで最大スケールの舞台の上で交わされる、もはや短編SFの傑作と言ってもいいラストシーン。野々原茜という存在が自分の中に刻み込まれた瞬間です。
こうしてAS専属Pとミリオンライブからやってきたアイドルの嵐のような束の間の邂逅は、エイプリルフール終了と共に過ぎ去りました。とにかくハチャメチャで、余韻と表現するにはあまりにも強烈な何か、しおりを挟まれた読みかけの本、あるいは世界を一度止めたセーブデータのようなものを残して。
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その後筆者は早速ミリオンライブのアプリをインストールしてゲームを開始…とはいかず、相変わらずAS専属Pでした。個人的には3Dモデルのアイドルが歌って踊る姿こそがアイマス。それが無いのは半身がないようなもので、長く付き合えそうかと自問するとちょっと・・・ね。
一方でアイマス情報サイトで「頭おかしい」と話題になっていただれらじの声優3人がシンデレラだかミリオンだかも分からないまま聴き始めたり、ぬーと一緒にロック歌ってた稲川プロがミリオンの声優だったと後から知ったり、友人がやってるゲームを脇で眺めながら「この子ほんといい声だねー」と話していた種さんがミリオンの声優だったと後から知ったり、不思議と縁の深まりを感じる出来事が続きます。
伝え聞く話では例のあの子・茜ちゃんも相変わらずの調子で他人のカードの背景を走り回っているとのこと。…よくわかんないけど多分元気なんだろう。
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自分がミリオンを知ってから1年が経とうかという頃、とうとうビッグニュースが飛び込んできました。「ミリオンライブが新作ゲームを出す、今度のゲームはリズムゲームでMVにも力を入れている」とのこと。
併せて公開されたSentimental VinusのMVを見たときの感想は「これほどのものがスマホで作れるのか」という驚きでした。
3Dモデルのクオリティの高さと同時に目を引いたのがアップやパンを多用するダイナミックなカメラワークで、これは今まで穴が空くほど見てきたコンシューマ機とは明らかに異なる方向性のもの。演出の狙いがスマホの小さな画面へ最適化であろうことは想像に難くなく、制作陣がこの作品に並々ならぬ期待と精力を傾けているのはすぐ分かりました。
で、かなり悩みました。
ASの出演は発表されているものの、ミリオンの子たちと比べてどのくらいの扱いになるかも分からない。人並みのリズム感など無い自分が人並みにリズムゲームを楽しめるかどうかも分からない。
振り返ってみればいずれも杞憂だったんですけど、当時のミリオンは自分からすれば名前くらいは知らないこともないってだけの、全く別の宇宙同然だったのです。
事前登録ボタンに手を伸ばすことすらためらっていたある日、ふと思い出して茜ちゃんメーカーのプレイ動画をもう一度探して視聴してみました。流れてきたのは相変わらず底抜けに明るい彼女の声、笑顔、そして忘れることのないあの印象的なエンディング。
…またどこかの宇宙で会えたら、茜ちゃん人形を作ってくれる?
…ん?
…またどこかの宇宙で会えたら、茜ちゃん人形を作ってくれる?
…また…どこかの宇宙で…また…どこかの宇宙で会えたら…茜ちゃん人形を…一緒に…?
こんな…こんな見事な伏線回収ってあるか?
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見慣れた事務所、そしてまだ見慣れない弊社の社名入りの大きな劇場。
勢いで始めてはみたものの、携帯ゲームなんてアイモバiを除けばベルトコンベアで流れてくる刺身にひたすらタンポポを乗せるやつくらいしかやったことがなく、「…リセマラって何?」というところから調べるべきことが山積みです。
6Mライブはほとんどフルコンできる気がしないし、MMに至っては前奏終わらないうちに体力ゼロになっちゃったし、良く分かんないままやたらお詫びされてジュエルどんどん渡されるし、色々大丈夫なんかな…。
ここは・・・埼玉県の飛び地・池袋だな。
腰掛けるなり飛びかかってきたのは聞き覚えのあるキンキラ声、振り返るとそこには・・・
あっ!おっ!そういえばあの子埼玉県民だったな。
考えてみたら実際に彼女の前に立つのはこれが初めてです。
あばばばばば、スカウトか、ここはスカウトの流れなのか?
ん・・・そっか。
どうやらこの子は本当に、俺が今まで考えていた以上に俺の思い描くとおりの子らしい。
誰に対しても暖かく接することができる太陽みたいな子、みんなを幸せにすることに一切の迷いなく全力が出せる子。そうやってみんなに愛を振りまくことで、みんなからの愛を、幸せを掴み取ることができる子。
野々原茜、まさに君こそが俺の求める才能を持った、正真正銘のアイドル!
名刺を・・・あ、盗られた。
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時空を超えた俺と、そこに現れた明るく希望に溢れた夏が扉の向こうに待っていると信じて疑わない猫みたいなアイドルの卵。
早く扉を開けてくれとせがむかのように早く仕事をさせろと騒ぎ出す彼女の姿を見て、ふと随分昔に読んだSFの古典を思い出しました。作者はロバート・A・ハイライン、タイトルは”夏への扉”。
ハイラインは作品ごとに作風がガラッと変わることでも有名で”月は無慈悲な夜の女王”を読み終えた流れで”夏への扉”を読んだ当時の自分の感想は「主題がロマンチックすぎて性に合わねえ」だったのを良く覚えています。そんな作品と自分を重ね合わせる日が来るとは全く、夢にも思わなんだ。
原作をご存じない方のために念のため補足しておくと愛猫ピートが向こう側から扉をぶち破って迎えに来るみたいな筋書きの小説ではもちろんありません。
細かいことはいいんです。
あの騒々しい少女が手を掛けた扉、その向こうには確かに明るく暖かい光に満ちた”夏”がある。そう信じさせてくれた。
偶然副業が休日だったミリシタリリース当日、正午から始めたリセマラとやらを終え、このカードと共に自分がミリオンのPとしてスタートを切ったのはもう間もなく日付が変わろうかという頃でした。
…またどこかの宇宙で会えたら、茜ちゃん人形を作ってくれる?
あの時の彼女の言葉がまた1人の人生に幸せを運んできてくれた。ならば俺はその恩にプロデュースという形で応えよう。
ありがとう。これから、よろしく。
お世話になっております。当方Tobiさんの書かれるエモ記事のファンでして、改めて茜ちゃん担当になった経緯のお話、楽しませて頂きました。自分語りになってしまうのですが、こちらも765ASからミリオンを知ったクチでして…あの日たまたま見たアニメでどこまでも輝いていた天の海、満開の春をどこまでも、ってところから何故か系統の全然違う麗花さんに見事ドボンしたんですよね。そんな担当を思えばやはりsummer tripでして、所謂エンドレスサマーというかそれこそ夏への扉というか、つまりそういうことです。笑
そして確か以前にレベルEが好き、みたいな話をお見かけした気がするのですが……、もしかしてベタベタにインターステラーとか星を継ぐものとか、ぶっちゃけそういう感じですか?とか。とか。また宜しければおすすめ(Tobiさんのお好きな)SFモノの記事なんかも執筆して頂けたら1ファンとして幸いです。長々と失礼致しました。
コメントありがとうございます。
ああいうネタは普段「おっさんがおっさんが」と言っているおっさんが突然いい話風味のことを書き始めると気味悪く思われないか?・・・なんて不安も抱きつつ探り探りやっているところがあるので、そう言っていただけると大変嬉しく励みになります。
バックボーンに共通のものがあるとその子への理解が一気に進んで好きになるっていうのはあるあるですよねえ。個々色々な思いを乗せられる夏への扉って、タイトルがもう既に名作なんだよな、と改めてまた後日読みたくなりました。
インターステラーはねー、大好きです。DVDレンタルで見たあとBlu-ray買いました。トリトリのフシギトラベラーはインターステラーと同じテーマの歌だっていうのが個人的な持論。
ミリオンPにSFを紹介していたら時にはSF好きがミリオンの魅力に気づいてくれることもあるかもしれないなんて期待しつつ、また何か良いネタが降ってきたら記事にさせていただこうと思います。