細かすぎて伝わらないミリアニ感想第7話延長戦

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第7話分です。

「でも、準備は万全だ」

嘘をつけお前。

「第6関門、超なっぞなぞ早押しバトル!」

早押しバトルなのに誰一人脱落者がいないってルール設定ミスってない?


このシーン上昇しながらカメラがパンして行っていて、この回だけの舞台なのにわざわざ3Dモデル作ってるのが分かります。ここまでの海上シーンもそうでしたけど、各ステージの水面にたくさん飾りが浮いているのが芸細。


チュパカブラが投げまくってた球が後のシーンではちゃんと海に浮かんで残ってるのも芸細。

最終関門でのチュパカブラとの対決シーン。

薄い!
そしてなにげに凄いスピード感。
さらにコマ送りで見ると高度に合わせてタワーの支柱から伸びる影がチュパカブラに当たる光の形を変化させているところまで描かれています。なんなのこのこだわり・・・。

ミリアニ最強のアクションシーン・海美の反撃。そうはならんやろ!・・・いや力学的にはあり得なくもないのか?という物理法則を感じる素晴らしい描写。

一度身体を鉄棒に引き寄せてから離し

再度引き寄せた勢いで身体全体を前に投げ出す

水平に投げ出した足が重力に引かれて落ちるタイミングに身体のバネを合わせて遠心力を稼ぎ

足先から全身を反転。
目測を外されたチュパカブラ、しかし空中では為す術がありません。

鉄棒から手を離した海美はさらに上昇。
背面跳びでチュパカブラの上へ回り込み

カメラごと天地反転。

鉄棒に向き直りつつ、チュパカブラに両足蹴りを見舞った反作用でもう一度上昇

可能な限り高度を稼ぐため、ギリギリまで鉄棒は掴みません。

掴んだ瞬間、動きの軸がぶれ、反射的に右足も鉄棒にあてます。

大きく身体が横に振れて一瞬焦った表情を見せますが

鉄棒を軸に全身を半回転させることで残った運動エネルギーを吸収。

そのままチュパカブラの撃墜を確認。風になびくロングヘアが勇ましい。左膝を上げて回転角度の正確な調整までしてしまうのはバレエ経験者ゆえの勘なんですかね。

3Dアニメでこういう超絶アクションシーンを作る場合、作品に誇りを持っていればいるほど、楽しんでいればいるほど、どんなに無茶でもワンカット長回しにしたくなっちゃうのがクリエイターの性。

先行上映鑑賞後、「あれ?じゃあ、あのシーンも多分そうだったよな?」と後から気になってたんですけど、TV放送後にコマ送りで確認してみると・・・やはり見事にワンカットでした。作品に込められた情熱はこういうところに現れる、これぞ細かすぎて伝わらない、でも声に大にして言いたいミリアニの素晴らしいところ!


せっかく作ったラストステージの3Dモデル、ライブシーンでもちゃんと使います。
上昇しながらの凄まじい高速旋回はミリシタも大の得意とするカメラワーク。

同じ3DモデルならアニメモデルにミリシタのMV用のモーション流し込めば手間掛けずにアニメ版作れるんじゃね?とか考えちゃったんですけど、エンディングがそうならなかったところを見るとやっぱりそんな単純な話じゃ無いんでしょうねえ。まあそらそうか。


せっかくなので全編モーション付きのMVが楽しめるミリシタ版を置いておきます。

おまけ・小鳥賞受賞の3名。

【内訳】
①ヒトデに心を持って行かれたところが非常に環らしかったため加点
②魅惑のキラキラアピールコーナーでそれぞれ加点・減点
③海ポチャして謝り合う姿にそれぞれ加点

というわけでこちらのポイント争いは風花がぶっちぎりで優勝。
上位3名が入賞となりました。ちゃんと集計してたんかあれ。

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第6話延長戦

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第6話分です。

成長できない天才・翼が小さな出来事の積み上げで変わっていくのが見どころの一つであるミリアニ。”細かすぎて伝わらない”が主題のこのコーナーでは逆に目立ちまくってしまうのは致し方なし。

静香がアイドル活動を許されているのは中学生の間だけという事実が明らかになった後の事務所のシーン。

第4話の話し合いのシーンでは、あの雰囲気の中「言いたいことあるんなら言った方がいいよ」と未来に言ってのけた翼。しかしここで静香に声をかけ続けるのは専らPと未来で、ほとんど何も発言できません。

原っぱライブの準備中、ライブにこだわる動機を未来と静香に尋ねたとき、静香は深刻そうな表情で「早く歌いたいだけ、だって、アイドルになりたいから」と答え、それを聞いた翼は変な顔で首を傾げていました。

「相変わらず真面目すぎる」くらいの感想だったんでしょうか。静香に家庭の問題があるということまでは頭が回っていなかった様子。

言いたいことを言って、それがまかり通ってきた翼。「家族が自分のやりたいことを応援してくれない」という状況は彼女からすると全く想像もしていない事態であり、大きなショックだったはずです。

「辞めちゃうの?」

一方こういう核心に躊躇無く踏み込んでいけるのが未来の人徳。
彼女のカリスマ性や、静香のアイドルに賭ける執念を目の当たりにして徐々に変わっていく翼。ただ、心の動きが表に出にくい子なんで、何度も見返したときに気づくことが多いんですよね。


この事務所のシーン、未来静香翼の他に桃子奈緒になってるのなんでなんだろう?と先行上映から本放送までずっと考えていました。

で、自分なりに辿り着いた答え。
静香を始め多くの仲間たちが見せるアイドルに賭ける情熱、それを見て変わっていくのがなんとなくアイドルになった翼と不本意ながらアイドルをやっている桃子。この2人をあの場に同席させるとすると、ミリアニではいつも3人の翼はいいとして、桃子が1人であのシーンに居るのは不自然。誰かお世話役を・・・と考えたとき、ここまで桃子とそれなりに濃い絡みがあってお姉さんポジとして適当なのが奈緒だったのかなと。

第5話で環がたこ焼き持ってきたシーンでも匂わせがあったけどこの2人、えっ?もしかしてめっちゃ急接近してる?

個人的にはミリアニ以降に理解度が格段に上がった歌織さん。

いやあ、凜々しいんですよね・・・。
軍人の家の出っていうバックボーンは元々あったんですけど、まあ姿勢はいいし、仕草がいちいち堂々としていて美しい。細かい所作がついたおかげで新しい一面に気付けるのもアニメ化の恩恵だなと。

遂に披露されるミリオンスターズTeam1stの持ち歌・Star Impressionのステージシーン。
自分は先行上映のときの解説&感想にここの印象を「アニメらしい見得の効いたカットに、ミリシタそのものの荒ぶるカメラワーク」と書きました。

でもさ、マジでカメラワーク完全一致させてくるとか思わないじゃん?

アニメであるミリアニも、アプリであるミリシタも、手法は同じ3Dモデリング。しかし並べてみるとやっぱりアプローチが全然違うんだなというのが分かります。

まずフレームレートの違い。
アニメが24fpsでアプリは60fpsなので動きの滑らかさはミリシタの方が圧倒的に上。

ただコマ数が少ないアニメの方にも利があって、見栄を切るシーンではバシッと動きがばっちり止まって、決まって見えます。はあー、こういう”攻め方”もあるんだなあっていうプロの仕事。見ていて実に楽しい。

パースの強調も全然違うんですね。

3Dアニメってデフォルメが効かないから今イチ動きにダイナミックさが出ない・・・というミリアニ以前の認識はとうの昔に粉砕されてますけど、すごいねえ、例え3Dだろうがアニメっぽくやろうと思えばちゃんとアニメっぽく出来るんだねえ。

一方自分がいたるところで絶賛している圧倒的な光の表現は3Dアニメだからこそのもの。
ミリシタもやって出来ないことはないんでしょうけど、本当にやったらみんなの端末が爆発するという問題が。今度シャニソンにも来るっていうPCでのMV鑑賞モード、やっぱ欲しいなあ・・・。

とりあえず美奈子Pがマジで羨ましいと思ったシーンでした。

まあでも何が一番ヤバいって、ミリシタはこのクオリティのMVを全く途切れることなく量産し続けてるってことなんですよね・・・。

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第5話延長戦

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第5話分です。

・・・といいつつまずは10thライブツアーAct-3のオープニングアクトだった『Rat A Tat!!!』の話。
歌い出しのフォーメーションがセンターぴょんさんの真後ろにちゃきさんだったおかげですぐ気づけたあの並び

これでしたね。
源Pの開演前MCで爆笑した後に即ボロ泣きで本当に情緒が大変なライブだった。みんなも配信で確認してみてね!

原っぱライブやることリストからの

練習シーン

教える側が前列で、教わる側が後列。
実際ダンスレッスンってこうやってやるんでしょうけど、やっぱほんと作りが細けえなとため息が出ました。一期生に混じってコーチ役となりつつ、年少者ばかりのステージメンバーのとりまとめ役も兼ねているであろうまつり。どこに出てきてもスペックの高さが光ります。


相変わらず「こんな感じ?」で汗一つ書かない翼。

準備シーンでは相変わらず恐ろしい手際でアイドルたちの個性が描かれていきます。

テレビ放送開始以来「こいつら野球しかやってねえな」とツッコむ声がどんどん大きくなっていている気がする海美と昴。言われてみれば、うーん・・・マジで野球しかやってないのか・・・?

育と桃子が絵を描いているところへたこ焼きを持って行く環。
たこ焼きを見た桃子が即座に出所と気遣いを察して「ふっ」って笑顔になるのがね、いいんですよねえ。

寝袋を手にした星梨花の想像シーン。

個人的に大好きなこの絵柄、ミリシタのホワイトボードとかにもちょいちょい登場しますよね。

バンナムのスタッフさんなんでしょうか。

やっぱり野球してるだけのうみすば

ま・・・まあ、後ろにネット置いてボールが飛んでっちゃわないかのテストしてるのかもしれないし・・・。

イベント開催のお知らせの次がもうグッズ販売のご案内ってそれでいいんか・・・

「手伝えて良かった、自分たちのグループの初ライブだし。ね、志保ちゃん?」
「そうね、準備もライブのうちだし」


1期生組のリーダー格と言ってもいい可奈が、参加できないイベントを”自分たちのグループの初ライブ”と何の屈託も無く言ってくれる、この頼もしさ。

そして”準備もライブのうち”と手間を惜しまない志保を見て微笑む姿。前作主人公と言われるのも納得の堂々たる風格はミリアニならではですね。

原っぱライブ入り口のゲート

外側が”WELCOME!”で、内側が”THANK YOU”。
当たり前と見せかけてこういうとこ絶対外さないっていう作り込みから生まれる絶対的信頼感。

「なにこれー?」

言葉や理屈抜きで人の心を動かせるのが現代アートと考えている自分からすると、なにげに凄く好きなシーン。実際現代アート展に行くと子供が作品に触ったり乗ったりして大喜びしているものが多いんですよね。多分そういう姿まで含めて初めて完成するジャンルなんだと思います。現代アートを見て嬉しそうな声を上げる子供というのは、作ったロコにとっても最良の瞬間だったはず。

細かすぎて伝わらないの塊と化したテント内のライブシーン。

左右から照らされた照明により2方向に長く伸びる影。重なる部分は影が濃くなります。現実なら当たり前のことですけど、セルアニメだったらここまで描かれなかったんじゃないでしょうか。


より強い密室感を演出するため、テント内部のシーンは被写界深度(カメラのピントが合う範囲)が非常に浅く(狭く)設定されています。手前の翼にピントを合わせると奥の杏奈はもうボヤけてしまう、なんなら翼へのフォーカスも若干ズレている、そのくらい浅いんですね。カメラと被写体の距離が近い(=接写になる)ほど被写界深度は浅くなります。これはカメラでも人の目でも同じ。これによって「ここ狭いな」と視聴者に感じさせる効果が発生します。


逆光のライト周辺に映り込むホコリ。光の強さ、会場内のホコリっぽさ、設備の安っぽさなどをこれ一発で表現。電球色のギラギラした印象も密室感を一層引き立てます。


後ろの幕に映った影が縦横無尽に動きまくって重なりあうところとか、マイク持った手が自分の身体に影を落とすところだけ見てても最高なんですわ。お前はアイドルの影絵でも見に来たのか。

正に3DCGが得意とする光学表現の見本市みたいなステージ。個人的にはこれだけでもミリアニを3Dアニメにした甲斐はあったと言える。本当に見ていてゾクゾクします。

ちなみにもっと後の話になりますけど、これを超えるマジでとんでもないやつが来ます。乞うご期待。

茜ちゃんねるのコメント欄。

765プロの名前だけでひとまず注目を集められている様子や、ゲーム配信で話題になっていた杏奈の認知度が既に高いことなどが窺えます。しかし「おっ!茜ちゃん!出てきた 草」ってなんだよ、出てきただけで草って何なんだよ?


自撮りカメラにすらぐいぐい寄っていく茜ちゃん、あっ、やっぱ出てくるだけで草ですわコレ。

春香が転倒した瞬間のコメント欄。

ファンの間でも定番芸扱いと化している春香のどんがら。
ついでに「一応は名の知れた765プロのイベントなのに原っぱライブ会場にオタクが皆無」という視聴者の声についても、ここに答えが出ています。みんなASライブの現地に行っているか配信開始待ちなんですね。最後の誤字だらけのお前はもう少し漢字勉強しろ。


登録者数たった20人のチャンネルのライブ放送に1256人も視聴者が来ている時点で大変な快挙だった茜ちゃんねるの配信は、ライブ直前のASがゲスト登場という燃料を得て視聴者数10000人弱という大盛況に。ライブを待ち焦がれる配信待ち勢に情報を流せばみんな雪崩れ込んで来るよねっていう茜ちゃんの戦略眼が冴え渡る。

「いいもの、見せてもらったからな!」

ワンカットでめちゃくちゃ沢山のことを説明してしまうシリーズ。
「麻城建設の皆さんも原っぱライブを見に来ていた」
「片付けは好意で手伝ってくれている」
「恐らくアイドルのステージには詳しくないであろう麻城建設の皆さんから見ても満足のいく内容だった」
なによりもこれだけの人数が見に来てくれるほど良好な関係が保たれているのは、まつりの気配りの賜物。

「り、律子さん・・・」

おかねちゃんからの律子という完璧な茜ちゃんオチ。まさか次回予告のためだけにASが登場するとは・・・。なお例によって次回予告の内容は全く頭に入らない模様。

チャンネルを乗っ取られ差し押さえられ、ご報告動画まで作らされてしまった茜ちゃん。


しかし公式チャンネルをめぐる茜ちゃんと765プロのせめぎ合いには更にまだ続きがあります。
気になる人はTHE IDOLM@STER MILLION ANIMATION THE@TER MILLIONSTARS Team5th 『バトンタッチ』のCD買ってドラマ聞いてね!(ダイマ)

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第4話延長戦

細かすぎて伝わらないミリアニ感想第4話分です。

まあ・・・ね、第4話はもう、改めてテレビで見てマジで泣きましたよね。

茜ちゃん。
「え?そこ?」ってそりゃ泣くよ、茜ちゃんだよ?

原っぱライブを「なんでもあり」と奈緒&ジュリアに告げて去って行くシーン。

ナルト走りは標準装備。

角で振り返って手を挙げる、そのまま勢いでジャンプまでしてしまう。

そして右に90度でいいところを左に450度回転して廊下を走っていく。

基本的にハイテンションで、そこに相手がいようがいまいが無駄な動きを無限にし続ける茜ちゃん。

「この子は普段こういう感じで動き回ってるんだろうな」っていうPちゃんたちの理解の完全映像化。ちっちゃいなあ、みなぎっているなあ、うるせえなあ・・・ありがとう、本当にありがとう、白組の茜ちゃん担当の人。

「なんでもあり」という単語が完全に一人歩きしているのを見て焦り出す茜。

自分が奈緒に「なんでもあり」と言ったあと、次の登場シーンで既にこの有様。えらい勢いで話が変な方向へ転がっていく様に765プロアイドルのフリーダムさが際立ちます。

結局「まいっか!」で締めちゃっておいおいってなるんですけど、結論から言うと原案どおり審議通過で765プロ全体の原っぱライブへのスタンス自体「まいっか!」なんですよね。

「今回は大事にならずに済んだからいいものの・・・」と言いたいところですけど、この大事にならない、ギャグで済む絶妙ギリギリを突く天才なのが茜。しかも結果はちゃんと残すから手に負えない・・・というところまで第4話中では説明しきれないのがもどかしいところ。

一応ドラマCDでも”思いつきで行動しているぶんアドリブでのトラブル対処能力も抜群”な点については触れられてますけどね。

「仲間のアイディアにちょっと言い過ぎちゃう?」

個人的に大好きだったのでよく覚えていた言い回し。
発言の意図は「(桃子が言いたいことも分かるけど、それはさすがに)言い過ぎちゃう?」なので、奈緒としても桃子の意見にも理があることははっきり理解しているし言葉にしてるんですよね。奈緒は「言葉が過ぎる」と感情的にまくしたてている部分を諫めているんです。

ミリシタの『HOME, SWEET FRIENDSHIP』コミュで同じようなことがあったとき止めに入ったのも奈緒。いずれのシーンでも止めにかかっている相手自身の立場を思っての注意であることは言葉の選び方から察せます。

こういうところまで既にきっっっっちり設定されているのがミリオンライブで、それをきっっっっちり踏まえて展開されるのがミリアニ、というのをとても良く表しているシーン。

「それは桃子の言うとおりやな、私の本気のたこ焼き、好きなだけ食べさしたんで!」

原っぱライブ開催が決定した後のシーン。

桃子の気持ちの問題を瑞希たちが解決してくれたことは知っている。
ならば後は自分と桃子の関係の問題。こういうとき便利なのが関西人のノリ、これを最大限生かして桃子に絡みにいく奈緒。

当事者にこれをやられると周囲(というか実際には視聴者)は、これ以上桃子に当たりに行けなくなってしまうという。これを分かっててやってるのが奈緒(とその向こうに隠れているミリアニスタッフ)。うまいよねえ。

ここでも奈緒はまず最初に桃子を立てることを忘れません。

「私が、何も考えないでやっちゃったから・・・」
「それでいいんだ」


ここから続く源Pの言葉は未来に宛てて話している体になっているものの、実際には37人全員に対してのメッセージ・・・というのはマイクを使った演出で描かれているとおり。まだほとんど何も言ってないところでスイッチを入れちゃう翼の勘の鋭さが凄まじい。

「不安なこともあると思う。でも、やってみて、やっちゃってから初めて分かることもあっていいと思う」というのは、初代アイドルマスター、そしてその直系であるミリオンライブの精神といってもいい言葉。だからこそ実際には原っぱライブの企画が原案どおり審議通過してしまっているにも関わらず、みんながすっと納得する形で話がまとまるんでしょう。あとまっすぐさん並にイイハナシダッタナー!!と言わざるを得ない圧をかけてくるセブンカウントさんの力。

「つまり、マジで茜が言ってたみたいに何でもありでいいってことか!」

なんとなく勢いで押し切れたからそのまま締めてもいいところを、わざわざ”原案どおり可決です”と確認しちゃうところがこの作品の『味』ですね。

ミリアニは何故見やすいのか? 画面にその秘密がある

はい、今日もミリアニを褒めます。
今日はミリアニ全体を貫く”流れ”の話です。

毎回とんでもないキャラ数ととんでもない情報量が詰め込まれた状態で進行していくミリアニ、しかし不思議なことに「何がどうなっているのか分からない」という感覚に陥ることがありません。

シナリオの大筋はシンプルという点が大きいのは間違いないんですが、もう一つ、見る側の理解を促進させるために全編を通して貫かれている重要なルールがあります。それは『今、誰がシナリオを動かしているか』を常に画面に明示させることです。

「そんな目印、どこかに出てたっけ?」 あるんですよこれが。
参考のため過去にうちのサイトへアップした感想記事の画像を並べてみましょう。

わかった?
答えは極めて単純で『今シナリオの軸になっているキャラが画面向かって右、補助的な役割のキャラが左に配置される』というルールです。ミリアニではこれがかなり徹底されていて、基本的に話しかける側の子は右側から左向きに、話しかけられる側の子は左側から右向きに描かれます。

ちょっと前に漫画・ドラゴンボールが何故読みやすいのか?というのがネットで話題になったときも盛んに語られていた記憶があるこの話。我々日本人は縦書きの文章を右上から左下に向かって読む習慣が身についているため、ぱっと画面を見たとき無意識のうちに右から左への”流れ”で内容を理解しようとします。

これは漫画、アニメに限らず、歌舞伎のセットは奥の間が右(上手)・玄関が左(下手)ですし、落語で一人何役もやる場合は目上の役が左向きにしゃべって目下の役は右を向いて話を聞くのが決まり。この流れに沿って情報を配置していけば見る側が勝手に優先番号を振っていってくれる・・・というのは、もはや文化の根底、本能レベルで染み付いているルールで、決してミリアニが発明したなんてものではないんですけど、徹底ぶりがすごいのよね。

『今この場面では誰が物語を回しているのか』は視聴者が無意識のうちに判断して耳を傾けてくれる。そしてその”重要人物”が確かに間違いなく軸になって話を進めていくため、内容がすっと頭に入ってくるんです。

上に用意した参考画面はわざわざこのエントリーに合わせてキャプチャしたものではなく、新たに撮影するのが面倒だったから過去にここへ掲載したものを並べただけです。これだけでも当てはまるシーンばかり出てくるっていうのは、やっぱり意図的にやっている工夫なんだろうなと。


この百合子のシーンは”流れ”の象徴とも言うべきもの。ここで百合子が左向きなのか右向きなのか、それだけで視聴者が受け取るニュアンスは変化してしまいます。


時間の流れも右から左が順方向。昴が投げたボールは右から左に飛んでいきます。


ステージシーンは主と従の最たるもの。ステージの上から呼びかけるアイドルは左向きに。


観客は右向きになります。ほんと良く出来てますよね。

【応用編①】
同じステージのシーンでも全12話中1つだけ明らかに演者を左側(右向き)に据えて描いているものがあります。ネタバレになっちゃうからボカしますけど第9話のあのステージです。あのシーンは未来たちが会場の熱気に圧倒されるのがメインテーマ。パフォーマンスしている側の未来たちが押し負けるほどの熱気、これを表現したい場合は・・・そう、観客席とステージの配置を逆にするんです。

カメラワークや音響だけでなくこうした心理効果まで駆使しているからこそ、あの凄まじい臨場感が生み出されているんですね。

【応用編②】
視聴者は知らず知らずのうちに右→左の流れで話が進むものだと思っているため、不意に左が「わっ!」と声を出すと意外性や驚き、不安定感を覚えます。


ここなんかそうですよね。
未来がだーっとしゃべっているところで唐突に左側にいる静香が全然違うトーンで口を挟む。すると視聴者は未来と一緒に思わず「なんだなんだ?」と静香の言葉に耳を傾けてしまうようになります。


ここもそうです。
左からこのみさんがものすごい勢いで走ってきて怒り出すことで子犬に噛みつかれたような感覚に陥るという。

極端な言い方をすると画面の右から来るものは正・秩序、左から来るものは逆・混沌です。仮にこのシーンでこのみさんが右側に立って左向きに未来に怒りの声を上げると正方向の怒り、つまり見た目で判断するなと言う真っ当なお叱りの言葉になってしまい、ギャグとして成立しづらくなってしまう。ここをギャグシーンとして見てもらうためにはこのみさんが右向きに怒っているというのがマストなんです。


登場シーンは完全にやべー奴扱いだったまつりも当然のごとく左側からやってきます。

【発展編】
このルール破り演出を最大限活用しているのが混沌の女王(?)茜ちゃん。

山積みの茜ちゃんステッカーを指さして「これお前か!?」とお叱りモードの源P、右・秩序サイドから声を上げます・・・が、それをあっさり跳ね返す左・混沌サイドの茜ちゃん。本来右から左へ行くはずの流れを勢いでひっくり返し、視聴者にはハチャメチャでドタバタな印象がより強く残るようになります。


第4話でも源Pを振り回す茜ちゃんは例外的に左側から話しかけます。


桃子に叱られているときはこうなので、敢えて逆にしているのは間違いありません。


一方初対面の未来に対してはちゃんと左向きになる茜ちゃん。変なところが妙に律儀。


この視点で見ていると本当に面白いのが、あれだけ掟破りしておいて最後は左方向に走り去っていくんですよね。混沌の方向に。


その後もほとんどのシーンを左側で暴れて過ごす茜ちゃん。ほんとカワイイなこいつ。

やりたい放題だった茜ちゃんはこの後スマホと財産を取り上げられてしまったんですが、奪った麗花さんと美也も確か左側に逃亡していったはずです。混沌の女王も真の混沌には敵わなかった・・・と。

まあ普段ミリアニを楽しむぶんにはこんなこと意識しなくていいというか、むしろこの”流れ”はそういう余計なことを意識させないまま話を分かりやすくするための工夫です。

でもこれだけ徹底してやっているのを見てしまうと、ある種の感動すら沸いてきて思わず紹介せずにはいられなくなってしまってですね、いやほんと、見れば見るほど発見があって無限に面白いですね、ミリアニは。