じゃあもうOVAの感想書いて良い?良い?書くよ?書くからね!?
というわけでミリアニOVA「いつかまん中で」編の個人的な感想文。一応畳んでおくのでご興味ありましたらクリックしてご覧いただければ幸いです。
今回OVAで特徴的だったのは宮村はなという人物の視点を通じて「ファンから見たアイドルの姿」という、当たり前だけれど実はアイドルマスターではあまり描かれることの無い姿が描かれていく点。
昨今のMRステージでも同様の演出が採り入れられ、毎回新鮮な驚きの声があがるアイドルがアイドルとしてステージに立っている姿。ミリアニOVAはさらにこの視点を深く掘り下げ、はなという一個人から見た美也の姿がまるでカメラアングルが切り替わるように次々に変化していきます。
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はなの呼びかけに応えて高校を訪れた美也はマイペースに校内を歩き回り、ドラムの前で彼女と出会う、雰囲気ははなの憧れるCleaskyの中で描かれた美也そのもの。完全な偶像として姿を現します。
ドラムがうまくいかないはなに対して寄り添う美也。しかしはなは自分と変わらない歳のはずの少女がアイドルという枠を超えて人格まで完璧な存在として光り輝く姿に打ちのめされてしまい、美也の前から逃げ出します。
Pと出会い、その口から語られるファンに見せることのない美也の姿を知るはな。
苦しむ姿、辛い姿。駅のホームに掲げられたオーディション募集の広告が次々に切り替わる前で美也が沈み込んでいる様はミリシタ4コマの中でも名作と名高い春香の『キラメキ進行形』のセルフオマージュだと思われますが

4コマでは最後に春香自身が広告の座を掴み取る一方、美也はとうとう募集するオーディションすら無くなり看板が真っ白になってしまうところが絶望を煽ります。
それでも夢に向かいひたむきに走り続ける美也。初めてみる美也の表情に目を奪われるはな。彼女の視界の外でもまつりや朋花が視聴者にすら見えないところで楽器練習にダンスレッスンに汗を流していることが明示的あるいは暗喩的に触れられます。
等身大の美也の姿を知り気持ちを切り替えたはなは練習の末、美也と肩を並べドラムセッションを成功させます。まるでCleaskyの世界を再現するかのような光景。はなは美也と同じステージに立つことができた・・・んです、が、
美也は更にここから『飛べない僕は泳いだ』のステージに挑み、シーンはシームレスに高校の舞台から765プロライブ劇場のステージに移り変わっていきます。

いま完璧なドラムを披露した美也は、くわえて更にアイドルのステージまでこなす。これがアイドル。さっきまで自分の隣に座っていた彼女はやはり別格の存在なんだということに気づいて一瞬で広がる距離感が「ステージの場所が変わる」「はなのギプスが取れる(時間経過)」「劇場で座るはなの席は最後列」といった要素で一気に描かれます。
ふとした拍子にもしかしたら手が届くかも知れないと思えてしまうことがあるアイドルという存在が、伸ばした手の先からすっと遠ざかっていく瞬間って、あるよね!という多くの人が共感するであろう体験に『飛べない僕は泳いだ』のメロディーがそっと寄り添います。
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ここで一旦はなから視点を外して考えてみると『飛べない僕は泳いだ』だって「飛べない」から「泳いで」いるんであって、決して自らが望み願った道を一直線に進む歌ではないんですよね。
それでもはなは、美也のステージ以外の顔を知ってなお、アイドルのステージに圧倒される。余計に切なくもあるこの構図は正に青春の1ページ。うーん、実にいいもんだなあと唸りました。
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ラストのシーン、美也と過ごしたわずかの間にめまぐるしく移り変わった「はなから見た美也の姿」は、結局一周回ってCleaskyを見て憧れたときの美也に戻りました。
憧れのアイドルがかけがえのない友人に変化して終わるわけではない今回の物語の最後の登場カットで、はなはただ美也に向かって大きく頭を下げ劇場を後にします。美也の隣に立てば誰もがエレナになれるわけではないという残酷でもある現実、しかし本作ではほのかに苦い青春の1ページへと落とし込まれ印象的な余韻を生んでいます。
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と、ここまでで美也を描いたストーリーは終わり、空気感は一気にミリシタのそれに。最後はファンへのサービスシーンですね。
姿を現したPが1人語る「マイペースって芯の強さなのかもしれないな!」っていう言い回し、これはシタPがいつも締めに言う口癖。

源Pも着実に経験を積み一人前のプロデューサーになっていっていることが窺えます。
エンディングは『Flyers!!!』。
『UNION!!』を飛ばしたことについて監督は詳しく語りませんでしたけど、やっぱり『UNION!!』は52人で描かれる物語の締めにこそ相応しいということなのかなと自分は勝手に解釈しました。
アニメだからこそ描ける視点を生かした巧みな演出が光る、ミリオンライブが大好きなファンに向けて送られるOVAという媒体で描かれたストーリー。高い完成度の1本だったと言えるのではないでしょうか。
じゃあ次は『Glow Map』の番だから、よろしく。
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